パラメータの算出
クロノタイプの判定には、基本的に「仕事のない日」の睡眠中央時刻(Midpoint of sleep in free days: MSF)を使用します。
「仕事のない日」の睡眠中央時刻(Midpoint of sleep in free days: MSF): MSF = SOf+(SDf)/2 |
しかし、睡眠不足がまん延する現代社会では、 「仕事のある日」の睡眠不足が蓄積して「仕事のない日」に睡眠の延長が生じるため、「仕事のある日」と「仕事のない日」の睡眠時間の差分を補正した「睡眠調整MSF(sleep-corrected MSF: MSFsc)」がクロノタイプのより正確な指標となります。
「睡眠調整MSF(sleep-corrected MSF: MSFsc)」: MSFsc = MSF – (SDf – SDweek) / 2 |
この補正は、「仕事のある日」よりも「仕事のない日」で睡眠時間が長い場合にのみ適用されます。そうでないケースではすべて、MSFsc = MSFとなります。
クロノタイプ判定ができないケース
MCTQは自発的な睡眠の中間時刻を、体内時計を反映したクロノタイプの指標して用いるため、目覚まし時計などの外的な社会的制約が加わった睡眠では判定ができません。
そのため、以下のケースではクロノタイプの判定ができません。
- 「仕事のある日」「仕事のない日」ともに目覚まし時計を使用している
- 定期的な仕事をしていない(「仕事の日数」が0)の場合で、「仕事のない日」に目覚まし時計を使用している
- 定期的な休日がない(「仕事の日数」が7)の場合で、「仕事のある日」に目覚まし時計を使用している
クロノタイプ判定における例外的なケース
以下のケースでは、例外的な方法でクロノタイプの判定を行うことになります。
■「仕事のない日」にだけ目覚まし時計を使用している場合
「仕事のある日」のみ目覚まし時計を使わないで起床している場合は「仕事のある日」の睡眠中央時刻(Midpoint of sleep in workdays: MSW)をクロノタイプの指標として判定できます。上記の通り「仕事のある日」と 「仕事のない日」のいずれも目覚まし時計を使用している場合、このケースではクロノタイプの判定ができません。
「仕事のある日」の睡眠中央時刻(Midpoint of sleep in workdays: MSW): MSW = SOw+(SDw)/2 |
■定期的な仕事をしていない(「仕事の日数」が0)の場合
原則的にMSFを使用することになりますが、多くの場合、定期的な仕事をしていなくとも、睡眠に対する社会的な制約のかかり方に一定の週内パターンが存在します(家事、育児、趣味など)。仕事のみならず、社会的な制約の存在によってMSWとMSFを使い分ける必要があります。
上記の通り、「仕事のない日」に目覚まし時計を使用している場合、このケースではクロノタイプの判定ができません。
■定期的な休日がない(「仕事の日数」が7)の場合
「仕事のある日」に目覚まし時計を使用していないのであれば、MSWをクロノタイプの指標とすることができます。
上記の通り、「仕事のない日」に目覚まし時計を使用している場合、このケースではクロノタイプの判定ができません。