MCTQ日本語版について
MCTQ日本語版は、原作者のロネンバーグ教授の許可のもと、国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所精神生理研究部(現:睡眠・覚醒障害研究部)のメンバーによって、翻訳・作成されました。
通常のローカライズ手続きと同様にバックトランスレーションによる意味内容の確認を行い、以下の3つのステップを踏んで最終的に確定されました。
- 意味内容の相違の確認
- 標準的クロノタイプ評価尺度(朝型夜型質問紙:MEQ)との併存的妥当性の確認
- 体内時計時刻(内因性メラトニン分泌立ち上がり時刻:DLMO)との併存的妥当性の確認
日本人一般成人450名を対象とした調査の結果、日本語版MCTQのクロノタイプ指標である睡眠調整MSFscは、原版と同様にクロノタイプの標準的な尺度であるMEQと有意な相関が得られました(r=-0.612)*1。
この相関係数は睡眠負債を調整する前の休日の睡眠中央時刻MSF(r=-0.652)よりも小さいことから、MEQの回答にはふだんの睡眠負債が影響しているというロネンバーグ教授の主張を支持する結果となっています。
さらに、睡眠調整MSFscは、MEQと比較して、より正確に体内時計の時刻(DLMO)を推定できることが明らかになりました(r=0.542)。
詳細は、妥当性検証論文をご覧ください*2。
*1 MCTQの各パラメータの詳細は「MCTQの使用方法」をご覧ください。