クロノタイプとは
ヒトは昼行性で、通常は昼に活動的で夜に休息(睡眠)を取る動物ですが、そのタイミングは一人ひとり少しずつ異なります。この一人ひとりがもつ時間的なタイミングの傾向がクロノタイプです*1。
クロノタイプは一般に「朝型夜型」と呼ばれるもので、特別な用事がなければ、朝型の人は日の出ごろに目覚めて早い時間帯に活発に活動し、夜は早々と床につくのに対して、夜型の人は日が高くなってからようやく起きだし、昼間はなかなか元気が出ず夜になってから目が冴えてきて、深夜遅くにようやく眠りにつく、といった具合です。
クロノタイプは体内時計によって強く影響されており、朝型と夜型の人をくらべると、体温やメラトニンといった体内時計を反映する機能のタイミングが朝型で早く夜型で遅いことが知られています。また、夜型の人ほど体内時計が持つ1日の長さ(周期)が長いようです。双子の研究によると、クロノタイプは50%程度遺伝的に決定されています。このように、クロノタイプは個人が生まれつき持っている体内時計の特徴を反映したものと考えられます。
*1 「クロノタイプ(Chronotype)」という言葉は朝型夜型に関わる特性を表しますが、研究者によって少しずつ定義が異なります。また、「日周指向性(Diurnal preference)」や「概日リズム型(Circadian typology)」という別の呼び方もあります。